いびしない愛
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わたしは「なや」が嫌いでした。「魚のふし工場」のことを地元では「なや」と呼びます。
「なや」は私の嫌いな魚の匂いを四六時中撒き散らしていて、「すす」で真っ黒で奥行きが分からず、地下からはごうごうと薪を焚く音が聞こえてきて冥界の入り口のようだし、そこで笑いながら素手で魚を捌く女性たちもなんだかそら恐ろしく、私は近寄らないようにしていました。
嫌いということは目が離せないということです。長年の恐ろしさや忌避感はいつの間にか反転して興味と愛着へと変わり、「なやの女」を描いてみたいと思うようになりました。
今回はそんな「なや」を経営する姉妹のお話です。他にも従業員や通りすがりの空き巣もでてきますが、みんなはたから見たらどうでもいい悩みやをこだわりを大事にピカピカに磨いてしまっています。
真っ暗でごうごうと音をたてるなやを舞台に、そのぴかぴかを持ち寄り、見せ合い「うん、よく分からない。」と言い合うばかみたいなお話です。
「うん、よく分からない。」
「理解できない。」
「自分とは違う」
だからなんだ。そんなものは薪にしてくべてしまえ。もしくは素手で捌いてしまえ。
笑いながら。

舞台写真 ©️horikawa takashi
●あらすじ
舞台は小さなふし工場「富田商店」の事務所。
工場を切り盛りするのは富田家の次女【喜美子】コロナによって止まってしまった世の中。富田商店も例外ではなかった。静まり返った工場の中で喜美子は密かにほっとしていた。しかし、喜美子の姉【しおり】が工場再建に動き出す。埋まらない姉妹の溝。そんな折、事務所に忍び込んできた空き巣【諫山】と出くわす喜美子。喜美子は諫山に見逃す代わりにあることを懇願するが……
期待に応えて生きていくことの息苦しさ。しがらみと共に生きることの面倒くささ。
それでもあえぎながら日々を続ける。
「幡多弁」によって描かれる、なやに関わる人々のいびしない愛。
脚本:竹田モモコ
演出:チャーハン・ラモーン
出演
竹田モモコ
是常祐美
高阪勝之
泥谷将
蟷螂襲
●大阪公演 2021 9/30(木)−10/3(日) 全5ステージ
●高知公演 2021 10/7(木)
●土佐清水公演 2021 10/10(日)
●東京公演 2022 10/13(木)−17(月) 全6ステージ
●スタッフ
舞台監督:中嶋さおり(BS-Ⅱ)、舞台美術:柴田隆弘、照明:葛西健一、
照明オペレーション:葛西健一、鎌江文子、
音響:河合宣彦(株式会社Road-K)、音楽:マツキクニヒコ(フラワー劇場)、
演出助手:鎌江文子、
イラストとチラシデザイン:チャーハン・ラモーン、
制作:寺井ゆうこ、安井和恵(クロムモリブデン)


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